●工業用洗浄剤の選択条件
- 汚れ物質に対する洗浄性
- 披洗浄物への無反応性
- 洗浄後の乾燥性
- 洗浄剤、洗浄装置などのコスト
- 洗浄剤の回収、再生の効率及びコスト
- 洗浄剤の品質、供給の安全性
- 作業環境、法規制上の安全性
●工業用洗浄剤の分類
分類の方法は色々ありますが、ここでは次のように分類してみました。
石油系 |
4類(第2、3石油類)等 |
消防法 |
溶剤系 |
塩素系 |
塩化メチレン 等 |
代替フロン系 |
HCFC-225 等
(CFC-113は1996年より全廃) |
炭化水素系 |
ナフテン系、パラフィン系 等 |
アルコール系 |
エタノール 等 |
準水系 |
炭化水素+界面活性剤 等 |
水系 |
アルカリ系 |
炭酸ソーダ、苛性ソーダ 等 |
酸系 |
塩素、硫酸、硝酸、リン酸 等 |
●各洗浄剤の特徴
- 石油系、炭化水素系
・油汚れに対する洗浄力が優れている。
・浸透性が比較的良い。
・金属に対し、しみ、変色などの影響が少ない。
・毒性が低い。
・再生利用が可能である
・乾燥が遅い。(塩素系、代替フロン系に比べて)可燃性である。
- 塩素系(塩化メチレン、パークロエチレン等4種類)
・通常の使用条件では不燃性で、引火、爆発の危険がない。
・・金属加工油、油脂、グリース等の溶解力(脱脂力)が大きい。
粘度、表面張力が小さいため、浸透力が大きく、部品などの狭い隙間にも浸透し、付着した汚れを溶解除去する事ができる。
・洗浄後の汚れを含む廃液は、蒸留により汚れを分離し、回収した溶液はリサイクルできる。
・蒸発熱が小さく、蒸気の比重(空気に対して3〜6倍)が大きいため、蒸気洗浄が可能である。
・乾燥が早い。
・安全性の点で、法令、条例の規制を受ける。
- 代替フロン系(HCFC-225 等)
特に表面張力が小さいため、極めて狭い隙間にも浸透し、より安全な洗浄ができる。
沸点が低いため乾燥が非常に早い。
コストが高い。
将来は全廃となる。(2020年)
- アルカリ系
一般的なアルカリ系洗剤は苛性ソーダ(または炭酸ソーダ)+界面活性剤+乳化剤+バインダー+キレート剤等が主な成分です。
- 酸系
一般的な酸系洗剤は酸+還元剤+酸腐食抑制剤+溶解促進剤+湿潤剤等が主な成分です。
●界面活性剤
界面活性剤は油に溶けやすい性質の親油基と、水に溶けやすい親水基の相反する部分から構成される物質で、液体−液体、液体−固体間の界面張力に変化を与え、二つの物質間の界面の性質を著しく変える。水と油の界面では一定の配向を示し、界面性質を変化させ表面張力が低下するので、乳化、分散、浸透、湿潤、溶解、再付着防止等の働きをして、洗浄作用を促進する。
※詳細はお問い合わせ下さい。
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